霧島ジオパークは、宮崎県の都城市、小林市、えびの市、高原町、鹿児島県の霧島市、曽於市の合わせて5市1町で構成されており、2010(平成22)年9月、日本ジオパークに認定されました。自治体だけでなく、議会や観光協会、商工会議所・商工会のほか、民間企業、各種団体等、官民あわせた43会員で構成された協議会で取組を推進しています。また、構成市町独自で、トレッキングツアーやジオキャンプ、ボランティアガイド養成講座など地域活性化に向けた様々な取組を行っています。
エリアの紹介
霧島ジオパークは、宮崎県(都城市、小林市、えびの市、高原町)と鹿児島県(霧島市、曽於市、湧水町)にまたがっています。その範囲に分布する20あまりの火山の集まりである霧島山を中心に、JR肥薩線、吉都線、日豊本線の内側をエリアとして設定しています。
- 車(えびの高原へのアクセス)
- 福岡市 → 宮崎自動車道経由で約160分
- 熊本市 → 宮崎自動車道経由で約80分
- 宮崎市 → 宮崎自動車道経由で約60分
- 鹿児島市→ 九州自動車道経由で約50分
- バス(えびの高原へのアクセス)
- 博多駅 →えびのICまで約180分
- 鹿児島空港 →えびのICまで約35分
- 宮崎駅→えびのICまで約90分
霧島ジオパークの特色は、昭和9年に日本で最初に国立公園に指定された、霧島国立公園(現:霧島錦江湾国立公園)を基本とする雄大で美しく、変化に富んだ景観です。また、新燃岳や硫黄山など、現在も活動を続ける火山活動を間近で体感できます。さらに、火山活動と氷期、間氷期のサイクルは、多種多様な植物が生育できる環境をつくり、世界でえびの高原でしか見られないノカイドウや多くの動植物を育んでいます。加えて、この地は、天孫降臨の地といわれ、また、古事記や日本書紀など、日本神話や数々の物語に取り上げられ、長く人々の信仰の対象となっています。
取組
関之尾滝【都城市】
霧島ジオパークのジオサイトである関之尾滝は「日本の滝100選」にも選ばれており、幅40m、高さ18mにも及ぶ滝で、目の前にある吊り橋からは、轟音をたてて流れ落ちる滝を間近に見ることができます。また、遊歩道を歩くと、四季折々の風景を楽しむことができたり、滝の上流にある34万年前の火砕流によってできた甌穴を見ると、歴史の雄大さを感じることができ、様々な楽しみ方ができる施設です。
霧島酒造春祭り・秋祭り【都城市】
霧島山についての情報発信を目的とした常設施設「霧の蔵ミュージアム」のある霧島酒造にて、春と秋の2回開催される祭りで霧島ジオパークのブースを開設し、体験コーナーや展示物でジオパークの魅力を伝えます。会場では、模型を使って溶岩の流れ方を観察できたり、また、火山の恵みによる良い水でできたコーヒーを味わったり、ジオパークのグッズを購入したりなど、楽しい催し物となっています。
ジオパークウォーキング【都城市】
霧島ジオパークのジオサイトである、関之尾滝や溝ノ口洞穴などを歩いて散策します。途中にある野草の説明や風景の案内などを受けつつ、楽しく自然に触れるイベントです。春と秋との2回開催され、春には新緑、秋には紅葉など、同じ道でも全く違う風景が見られるため、リピーターの多いイベントです。
地元ジオガイドの取組【小林市】
霧島ネイチャーガイドクラブ、小林ジオガイドクラブは、ジオツアーやジオ講演会の実施等、ジオパークを通して地域を盛り上げる活動をしています。霧島山や陰陽石、出の山公園といったジオサイトを紹介します。
白紫池(びゃくしいけ)【えびの市】
白紫池は白鳥山の南東側にできた直径250mの火口湖で、その周囲を取り巻く小高い丘は噴火のときにたまったものです。白紫池は水深が1m未満と浅いために、かつては冬季の全面凍結時に天然のスケートリンクとして利用されていました。
毘沙門滝(びしゃもんのたき)【えびの市】
毘沙門滝は、加久藤火砕流堆積物にできた幅の狭い峡谷にかかる滝です。細く切り立った崖の隙間に響きわたるのは流れ落ちる水の音のみです。現在の毘沙門滝の姿は、今後、幅が広い渓谷へと成長していく途中段階を見ているのかもしれません。
えびの高原【えびの市】
えびの高原は、霧島火山群の西部に位置する山間盆地で、標高約1200mの高地にあります。硫黄山からの火山ガスの影響で、ススキやミヤマキリシマを主体とする植生に乏しい荒涼とした風景が広がっています。えびの高原にはホテルや土産店が立ち並ぶなど観光拠点である一方で、韓国岳や池めぐりコースのスタート地点になるなど登山やジオツーリズムの拠点にもなっています。
神話や歴史の語り部【高原町】
創建が非常に古く、また、神武天皇御降誕の地と伝え継がれている高原町狭野地区に社殿を構える狭野神社。ここでは、50年以上つとめた松坂督亮(まつざかよしあき)名誉宮司が、霧島山や高原町にまつわる神話や歴史など、貴重な見識を、我々に語り継いでいます。