大好きな小林の魅力、もっともっと伝えたい!

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霧島ジオパーク

公開日:2020/1/14

大好きな小林の魅力、もっともっと伝えたい!

フランスから5年前に来日し、2年前に小林に移住。「小林まちづくり株式会社」の観光DMO 観光推進部 インバウンド担当として働くロジェ・ロレーヌさん(31歳)は、「降り立った瞬間、小林が大好き!と思った」と話すほど。現在は主にフランス人の旅行者に小林や霧島連山などをPRし、魅力あふれるオリジナルツアーを組んで続々とファンを増やしている。
「宮崎はもっとPRできる!」。力強く語るロレーヌさんの言葉には、訪れた旅人を満足させるヒントがいっぱい詰まっていた。

知られていないから、いい。

オーダーメイドの旅を計画。

三之宮峡の屏風岩。高さ32m、幅60mもある。

 ロレーヌさんお気に入りの三之宮峡へやってきた。三之宮峡は霧島ジオパークを体感できるジオサイトのひとつ。霧島山の噴火によってつくられた渓谷で、屏風岩や千畳岩などの豪快な奇岩が見どころ。かつて木材を運び出したトロッコ道は遊歩道として整備され、11もある手掘りのトンネルが当時の様子を物語る。
ロレーヌさんは、プライベートでもガイドでも、よく三之宮峡を訪れるそう。「静かで、ここを散歩していると心が落ち着きます。緑がきれい、川もきれい、空気もいい。お客さんも本当に喜びます」。

 現在、ロレーヌさんは主にフランスからの旅行客のアテンドをしている。取材前日は韓国岳に登ったそうだ。来日前に、宿泊日数や予算、希望などを聞いて作る旅のスケジュールは、1組1組オーダーメイド。三之宮峡、すきむらんどのほか、小林市内だけでなく高原町やえびの高原も紹介する。「小林にまた来てほしい。そして、フランスに帰ってから『小林、最高!』と友達にも広めてほしいから」とロレーヌさん。そのほか、インスタグラムやYouTubeでの発信や、通訳、メニューの翻訳、フランスで行われた日本文化についての展示会「Japan Expo」への同行など、小林のために東奔西走しているところだ。

 なぜ、小林に来るフランス人が多いのか。2年前に、フランスのYouTuberを誘って、小林の映像を作ってもらったことが大きいという。問い合わせの8割ぐらいはYouTubeを見たフランス人からだそうだ。

川のせせらぎ、野鳥の鳴き声が響き、心癒される。

小林はフランス人の旅にぴったり。

韓国岳から大浪池へ下る。フランスでは気軽な登山は珍しいそうだが、この景色に皆、感動!

  
 
 ロレーヌさんが会社に入った当初、最初は「海外」の人をターゲットにしていた。「でも、アメリカ人、ドイツ人は何が好きか、それぞれ目線が違います。私はフランス人だから、フランス人の観光の仕方しか分かりません。まずはフランス人を呼ぼうと思いました」。

 フランス人の旅。喜ばれるのは、あまり人に知られていないところ、隠れ家みたいな場所を見つけること。「観光客がたくさんいると、う~ん…と思う。有名すぎる場所はイヤなんです。知られてない場所を最初に発見する人になりたいと考える。だから小林はぴったりでしょう」とロレーヌさん。自分だけのお気に入りの場所を見つけて、1カ所でゆっくり、1週間ほど滞在するスタイルだ。

 さらに、旅の途中でも体を動かしたくなる特徴もあるという。問い合わせがあると、「もしよかったら登山しましょう」と提案。大浪池や韓国岳、高千穂峰への登山は、大好評。「頂上で食べるカップラーメンに、淹れたてのコーヒー、下山したら白鳥温泉に浸かって…」と、日本人の楽しみ方と似ている部分も。ただ、雨の日はなかなか大変なのだとか。庸山窯での絵付け体験や神社めぐりなどを組み合わせる。

 もう一つ、長く滞在する人に必ず紹介するのが農家民泊だ。「日本の生活を見たい、日本人の家に入りたいという人が多いんです。どうやって時間を過ごすのかを知りたい。農家民泊は、家族の一員になれます。一緒に料理を作ったり、子どもたちと遊んだり。フランスに帰ってからも、みんなに自慢したくなる体験ができます」。日本の暮らしにあるものが観光になる、喜ばれることに会社の皆も気づかされたという。

日本の家庭料理を家族と一緒に作れるのも、農家民泊の醍醐味。

ここに住みたい!移住を即決。

韓国岳から望む高千穂峰と新燃岳。ロレーヌさんは登山が大好き。

登山にハマり、小林生活を満喫。

高千穂峰の馬の背。自然に圧倒される。

 日本語が堪能なロレーヌさん。小林へと導かれたきっかけを教えてもらった。
大学で日本語を学び、学生時代に日本でインターンを経験。一旦は帰国したが、日本への思いは消えず、名古屋の会社に就職した。3年目にフランスに帰るか、日本で転職するか迷っていたとき、フランスにいる恩師からのメールがきっかけとなった。たまたま約10年ぶりに送ったメールへの返信に「宮崎県の小林市というところで日本語ができる外国人を探している。友達に勧めてみてほしい」とあった。「このメールを見た瞬間、『私が行きたい!』と思った」と振り返る。

 インターネットで検索をかけてみたものの、出てくるのは「(人名の)小林さんという人の顔」。だが、九州にあること、どうやら田舎らしいということを理解し、移住を即決した。ロレーヌさんの出身地は、24時間耐久自転車レースで有名なル・マンに近い人口1000人ほどの村。自分の故郷と同じような日本の田舎が気になっていた。「小林に着いたときに、霧島連山が見えて、感激しました。こんなに山に囲まれたところは初めて。うれしくて、ここに住みたい!って」。

 移住当初はホストファミリーと過ごし、小林に家族ができた。最初にハマったのは登山。「小林に住んでいるのに登山しなければもったいない」と、ガイドで訪れる以外に1人で行くことも多い。そして今は、弓道にもハマっている。「テレビで試合を見て、袴がステキ!と思って始めました。ホストファミリーのお母さんに、道場を紹介してもらって、週2、3回、通っています。弓道は自分自身との闘い。メンタルにすごくいいですね。でも気持ちのコントロールはなかなか難しい。的に当たるとイェーイと思います」。今では、西諸弁も上達。「ひんだれた、てげてげでいいよね。どう?」とにっこり。

もっとどん欲にPRを!

小林まちづくり株式会社の観光推進部長・木村洋文さん。2人の掛け合いは漫才のよう。

情報発信はまだまだできる。

音楽も好きというロレーヌさん。カラオケスナックにもよく行くとか。

  
 
 ロレーヌさんは、任期が満了する2020年2月にフランスに戻る予定だ。「それまでに、外国からお客さんが来ても困らないようにしておきたい。私が帰っても、たくさんの人に小林に来てほしいです。フランスでもPRしたいと思います」と、小林愛は尽きない。フランスでは「日本語の能力を活かした仕事をしたい」と話す。

 そして、もっと小林、宮崎をPRしてほしいとエールを送る。「小林には何もないと思っている人が多いかもしれません。でも、十分に魅力がある。大雪が降るわけではないので、どの季節でも登山ができるのも素晴らしいです。有名な観光地になるのは望まなくても、もう少し知ってもらいたい。そして、交通機関がもっと便利になるといいと思います。例えば、三之宮峡にはタクシーやレンタカーでしか行けません。マップで正しい位置が出ないので、地図情報も充実させていくべきだと思います」。

 「もっと魅力を知ってほしいでしょう」。フランスと小林の架け橋になろうとするロレーヌさんの言葉に、改めて、宮崎の宝物に気づかせてもらった。

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